★最も身近で情報量&取引量が多い「ドル円」からまずは始めよう
実際に、FXをするにあたり、まず具体的に決めなければならないのが「どの通貨ペアで
取引するか?」です。ニュースなどでおなじみの、日本人にいちばん親しみの深いアメリカドル
、欧州統一通貨として注目度が高いユーロ、高金利が魅力の英ポンドやオーストラリアドル。
ほかにも、スイスフランやカナダドル、はたまた最近話題の中国人民元。そして我らが日本円
など、世界中には様々な通貨が存在します。
通貨と通貨の交換といった場合、円との交換がまずピンときますが、外国為替証拠金取引
で必ず円が絡む必要はありません。ユーロとドルの交換、オーストラリアドルとニュージー
ランドドルとの交換だっていいのです。様々な通貨の組み合わせが考えられる中、各通貨自体
の特徴と組み合せの特徴に合わせて、どの通貨ペアで取引するかをまず決定する必要が
あります。では、初めて外国為替証拠金取引を行うという場合、どの通貨ペアを選ぶべきで
しょうか?
それは"ドル円"です。いえ、初心者だけでなく、長く取引を行っている場合でも、基本となる
のはドル円の動きになります。それは、次の三つの理由があります。
①ドルが世界の基準通貨である
まず第一に、世界の為替取引が、ドルを中心に行われているからです。世界中で行われる
為替取引のなんと9割近くがドル絡みの取引であると言われています。
アメリカが世界経済の中心的役割を果たしているため、投資に関わるシーンだけでなく、
貿易などに絡んだ実需と呼ばれる取引や、世界各国の中央銀行の外貨準備などにおいても、
ドルが基本となっているのです。
ニュースや発言なども米国発の注目度が最も高く、アメリカの金融政策を決定するFOMC
(連邦公開市場委員会)は、世界中の注目の的になっています。
ドル以外の通貨同士の取引シェアがあまりに低いため、一度に大量の金額の取引が
行われる銀行間の市場ではドル以外の通貨同士の取引を行う場合、いったんドルを介在
させて取引されることが一般的になっているほどです。これは、どういうことかというとポンド円
を買うといった場合に、ポンドと円を直接交換するのではなく、ポンドドルでポンド買いドル売り
、ドル円でドル買い円売りという具合に分けて取引を行い、二つを掛け合わせて(ドルは売り
と買いで相殺)ポンド円のレートを出すといったことです。
このような状況なので、例えばポンド円の取引を行ったとしても、イギリスと日本という二か国間
の動きだけに注意を払うのではなく、米国で起こった材料について、ポンドドルやドル円で
どのような反応が出てくるのかなどにも注意する必要があります。その為、単にドル円を見る
時に比べて予想が複雑になりやすいのです。
②最も身近な外貨のため情報量が多い
第二の理由は、日本人にとってドル円が最も身近で親しみの深い通貨ペアだからです。身近
だということは、いってみれば情報が多いということです。貿易、投資、観光など一般の人が
外国為替取引に関わる色々な場面において、その取引はドル円である場合がほとんどです。
ニュースなどでもごく普通に現在のレートを流し、自然に相場観というものが形成されます。
また、ドル円の動きを考える場合に、日本における政治、経済のニュースは非常に重要な
意味を持ちますが、こうしたニュースはまずは日本語で流れ、それが英語などに訳されます。
ということは、海外の投資家に比べて、日本にいる私たちのほうがかなり有利な状況なの
です。これを活用しない手はありません。
③取引量が多い
最後の理由は、ドル円が非常に流通量の多い通貨ペアだということです。日米の緊密な
関係もあって、さまざまな人や企業がドル円の取引を必要としており、ユーロドルに次いで
世界で2番目の流通量を誇ります。これは何を意味するかというと、何か突発的な事件が
あったときも、動きが過熱しにくいということです。
株式市場などで大ニュースが入り、取引の出会いがないまま気配値だけが動くということが
たまにありますが、ドル円のように世界中で潤沢に取引されている場合、少々のニュースでは
取引ができないという状態にはなりにくく、それだけ安心して取引ができるということが言え
ます。
また、取引量が多いということは、ヘッジファンドなどの大口投資家の注文によって、理屈
のつかない値動きをすることが少ないということです。小さな市場に大量の資金を浴びせ、
相場の主導権を握るといった荒っぽい取引はほかの取引者にとってリスクでしかありません
から、そういう意味でも、取引量の多いドル円は安心といえます。
ユーロドルも取引がしやすい通貨ペア
「ドル円以外なら何がいいの?」と問われれば、"ユーロドル"をお勧めします。欧州統一通貨
であるユーロとドルの通貨ペアは、ドル円以上に取引量が多く、世界の取引の3割程度を
占めているといわれています。ドル円のところでも説明したように、取引量の多さは、取引
をしようという人にとっては安心感につながります。
また、「各国の通貨の特徴を知っておこう」の欄でもユーロはドルの代表通貨としての
役割も持っており、米国で何か材料が入った場合に、最も素直に反応しやすいと言われて
います。そうした意味でも、ユーロドルの取引はやりやすいと考えられます。
逆に注意が必要なのは、クロス円と呼ばれるユーロ円やポンド円、ニュージーランドドル円
といった通貨ペアです。
クロス円の場合は、二カ国間の状況の変化だけでなく、ドルで何か起こった際の反応など
にまで注意を払う必要があることを、十分留意して取引を行うことが必要です。
低金利である円と、基本的に高金利である外貨との組み合わせということで、長期的に
外貨預金のように取引を行う際には、クロス円が中心となります。
現在、高金利であるポンドやオーストラリアドルなどとの組み合わせが人気のようですが、
こうした取引を行う場合には、値動きのリスクなどに十分注意するとともに、ユーロなどに
比べて市場が小さい分、値動きが不安定になりやすいことなどにも注意が必要です。
